大学生がよむ50冊
今日も寒かった。
秦野の東海大学に東急と小田急を乗り継いで赴いた。
本厚木を過ぎる何となく頭がカーッとしてきたので、いつも胸ポケットに入れているギベオン隕石とピップエレキバンをズボンのポケットにしまった。
このあたりは、そういうものを携行しなくても間が持つ。
愛甲石田あたりから丹沢の山裾を走っている。
何となく気分が良くすやすや眠った。
東海大学前で降りるとひんやり寒く何か別の世界に来たようなのぼせ感があった。
丁度昼だったので駅前の定食屋でランチを食した。
豚の塩カルビにトロかつおの刺身が組み合わさったランチメニューだった。味噌汁のほかおまけにババロアとオレンジジュースが付いていた。これらで840円。
旨かった。
それから丘の上のキャンバスに入る。
いいところだなあ。こういうところで生活しないなあ。
200冊ぐらいの書物から50冊、大学生が是非読むべきだというものを小説家や詩人、文芸評論家の方々が書評をしながら選び出すという催しだった。
200冊は大体題名は聞いたことがあるけどほとんど読んだことがない。
中学の頃、新潮文庫の100冊を薦められたけどとてもじゃないけどこなせなかった。
どかっと100冊と示されてもなすすべも無く挫折した。
小学生の頃はよく読んだが、中学生の頃から失読症になり、殆ど本を読んでも頭には入らなくなった。
今となっては、この原因が、地磁気欠乏と揮発性化学物質だろうという見当が付いた。
これら200冊の中に、この問題に言及しているものはなさそう。
これらの本を読んでも自分の根本問題が解決するわけではなさそうなので、読まなくても良かった、なんて思うのだ。
気付くのに、読んだほうが速いか人から聞くほうが速いか科学をやったほうが速いか、と今振り返ると思うのだが、どうなんだろうと探索している。
多くの文学作品は、この地磁気欠乏症や揮発性物質についての言及が無いように思われる。漱石にせよ小林秀雄にせよ、ご自身その問題に苛まれているように思われるが、表向き解を表出されていない。
三島由紀夫の金閣寺は、近いものがある。禁欲を強いられている修行僧が、金閣寺を見てむらむらしてきて淫乱さを覚え、ダブルバインドに苛まれ放火してしまうというのは、何かしらのほのめかしなのかもしれない。
小林秀雄の骨董への傾倒もおそらくその問題の答えとなっているのかもしれない。
かなり明示的に内田先生や森千里先生は言及されている。
このお二人の著作もノミネートされて頂きたかった。このお二人を読めば文学の見通しが立つというものではないか?
人がその本を読んでみたくなるような書評の仕方というのはこれまで殆ど意識してこなかったが、改めて勉強になった。
どかっといきなり50冊、100冊読め!といわれてもやる気を無くす。
自分でまず視点を持ってフレームワークや領域を抱いて、その範囲でそれらの作品がどう絡んでくるかをひとつひとつ舐めるようにしていかないと長続きしない。
目的意識を持ってそこから外れるものはどんどん切り捨てる。そうしないと時間が足りない。すべて何百ページを読んでいたら埒が明かない。
1, 2ページ読んで自分で読めるか読めないか見切りをつけたほうがいいのではないか?
明治時代に大流行したということを伺い尾崎紅葉の金色夜叉を購入して読んでみた。
読めなかった。
やはり、翻訳しなくてはいけなかった。どう翻訳するかというと、文中にバッファーを追加する必要がある。副詞を添加することによってようやく自分の息遣いにぴったり来る。
そのままだと息が詰まってしまう。よくそんな息をこらして書かれたものだなあと思う。
人それぞれの肺活量によってバッファーを添加する量が違うだろうけどそういうものを自動挿入して、すべての文章が自分にとって読みやすくなるようにすると、嬉しい話である。
まあこうすると、文章を読んではあはあしてお腹空いてご飯食べてぐっすり眠れるだろう。
まあ文章というのは経済の拡大均衡を目指すものである。
読んでまた別のものが欲しくなる。
小林秀雄は、見たもの聴いたものを美しい文体にして表現されるというが、それを読んだ人は、また別のものがどうしても欲しくなる。一方村上春樹は、カーッと一気に読めて、その別のものを所望せずに済む。
そこで好かれるか嫌われるかになるのだろう。
とシンポジウムの進行とは別に考えをめぐらせていたときもあった。
とにかく、その時間帯は、何となく高揚しているタイムスパンが長く、ドーパミンを使い過ぎたのか、事後、気分のダウンが激しかった。
帰り際、知人と挨拶を交わし、キャンバスを出て、2時間ほど歩いた。
山裾を近くに見ながらの散策は気持ち良かった。
伊勢原の駅までたどり着き、五目ラーメンを食して、岐路に就いた。
新型4000系急行の車内で一時間過ごし、頭がぼーっとした。
もっと詳細については、時が経たないと整理できない。
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