本物の味
うまいものとは、新鮮な食材を使っているとか添加物が入っていないとか作りたてほやほやとは言われるが、果たしてそうだろうか?
古くて添加物が入っていてしばらく置いておいたものがうまいというわけではない。
だからといってミシュランの3つ星が必ずしもうまいとは思わない。
本物の味とは主観が入るのだが、私ならこう表現する。
まず目の前にうまそうなものが目に入る。
うまそうだなーっとまず食べたときのイメージを再現する。過去に食べた体験があるからこそうまいと感じるのだろう。
そうはいうものの最初に食べたときというのは得てして覚えていない。初めて食ってうまいというような記憶が残るのであろう。
すると息を吸い込むと共に筋肉が収縮してその収縮に伴った神経信号が筋肉から脊椎、延髄、基底核へと伝達して皮質に到達する。その求心信号が徐々に強まってピークに達しロングテールを引きながら余韻を長く残す。その持続性こそ肝である。私は、その継続時間が長い。
このとき思わず頬が緩んで目が薄くなる。
それからその食べ物を少し口に入れて舌につける。すると舌から遠心系の神経信号が身体全体にいきわたり筋肉運動の収縮を指令する。この間は、何も感じない空白の時間である。すると息を吸いながら筋肉が収縮すると共に、求心信号がゆっくり伝達してピークに達してゆっくりフェードアウトする。
旨みは遅れてやってくる。
その間頬が緩み目が細くなり美味しい自分の世界に入り込むのである。頬とクオリアである。
こういう身体運動をゆっくり数回繰り返すことを促す食べ物が本物の美味しさと考えるのである。
中には、舌につけると最初に急激にガンッ!と筋肉運動をして中続きせずにそのまま終わってしまう場合がある。こういうものは、美味くない。
食品添加物が入っていると得てしてガンッ!と急激な筋肉運動をして長続きしないで終わる。息を長く吸い込むこともないし頬が緩むこともないし目も細くならない。せわしないのである。
こういう食べ物をく口に入れると急かされて早食いになる傾向になる。きわめて不健康である。まずいものを食わないほうが良い。
食い物だけではなく、文章も音楽も絵画も他人の話も同じである。お腹で息を吸って頬が緩む時間が長くないと本物ではない、と私は感じる。私の主観である。
これが倍音を鳴らすとか身体全体を鳴らす、ということなのでしょうか?
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