文学の現実的アプローチ
今日はシックハウス関係の講演会を聴きに行った。建築、什器、材料の各業界団体がシックハウス関係の研究会を発足させ、専門家の講演を催している。
いつもは脳に関して、自然科学とか心理学、哲学、というような催し物に参加しているが、シックハウス関係からアプローチするのも違った視点で脳を見ることが出来て参考になる。
今回は、千葉大の森千里教授がご担当された。
森氏は、千葉大柏の葉キャンパスにて、ケミレスタウン・プロジェクトを主催されている。
キャンバス一帯に問題を起こす化学物質を極力抑えた部材を用いた建築物で街を作り、更に室内にもそのような什器を据え付けるという試みである。
その街に、化学物質過敏症の方が生活して症状が良くなっているという。
まず一昔前問題となったPCBの有害性から聴いた。今でも環境に残存して食物連鎖で動物にも多数含まれているという。
マグロやカジキなど大型魚類には高濃度で含まれているという。
刺身が好きな私にとって残念な話である。先ごろ尿酸値が基準値以上になって、魚類を多少控えるようにした中、更に追い討ちをかけた。
最近、安価に血液中のPCBなどの有害化学物質の含有量を測定する方法を開発されたとのこと。
化学物質の危険性については、まだ世間で認知されていないらしい。まずは認知からということを強調されていた。
最後の質疑応答で、シックハウスとうつ病は共通の神経醸造を起こすが、心因性と化学物質要因とどう区別するのか?と伺ってみた。
化学物質起因は、特定の場所でそういう症状が出るという。心因性は、場所を選ばないという。
しかし化学物質過敏症は、一度発症すると、場所を選ばず神経症状が出現するのだが、どうなのだろうという疑問が残った。
私は、化学物質過敏症と北里病院で診断されたが、様子からみるとどうやらシックハウス症候群では思われる。
講演の室内でデモをやった。自分は、その部屋で調子が悪くなるが、窓を開けると改善することを示した。
最近流行っているうつ病は、室内換気不足が原因でないかと考えている。まず建物の高層化で窓が開かないことが多くなった。この場合すべて換気装置に依存することになっている。
しかし、換気を強くすると、音がうるさい、寒い、冷える、折角暖めたり冷やしたりした空気を無駄に外に出してしまう、ということからあまり装置として使われなくなっている様子だ。
それで空気が澱んで気分が悪くなる症状が起こる。
部屋に、化学物質を発生させるものをそれなりの数設置するならば、換気装置もそれなりに改善するべきだ。
そういうことをケミレスタウンで実証していただきたいと思う。
森氏は、最後にプレゼンの資料の中で森鴎外について出された。ひ孫さんらしい。
ひい爺さんが文学をやられている一方、現の代にて、複合汚染を研究されている。きわめて文学という営みに関して、現実的かつ科学的なアプローチを取られていると納得した。気持ちをうじうじさせ心を不安にさせる文学的衝動の発生源に正面切って立ち向かわれている。
文豪の末裔の方の営みというのは、その文豪の作品とつながりがあるのかもしれない。比較してみると、漫画だったり骨董だったり化学物質だったりする。
登校拒否や引きこもりの根本原因を化学物質とされていること、科学的に有害性を証明できなければ幾ら活用しても良い、という考えはおかしい、客観的に判明する前でも怪しい場合は逃避すべき、と科学一辺倒ではなく、文学的視点が組み込まれている。
こういうアプローチがトンデモといって怒られるのですね。
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